ニュージーランドラグビーユニオンがやっているサイトに、コーチングツールボックスというのがある。サイトURLは以下の通り。
Coaching Tool Box
http://www.coachingtoolbox.co.nz/toolbox/
シニア、ティーンエイジ、13歳以下、10歳以下、7歳以下の年齢別に、技術(skills)、ルール(Law)、ドリル(Drills)の項目があり、さらに、例えばskills の中には、コアスキル、コンタクト、ハンドリング、キッキング、ランニング、タックリング、ユニットスキルなどの項目がある。
それぞれの項目の中には、目的、主な要素、おこしがちな間違いなどが英語で箇条書きで書かれてある。このサイトの最もいいところは、それぞれの項目で、トレーニング方法が動画で見られることだ。特にドリルなどは、ジュニアのコーチの方には参考になると思う。
全て無料で見られる。登録も必要ない。フォーラムに投稿したり、各内容を保存したりするには、登録が必要。
コーチング情報、特にジュニアの情報を探している方は、一見の価値ありと思う。
(Kickoff-T)
本日は、ニュージーランドスポーツアカデミーの室内トレーニングの一部を紹介。
ジム・ラブによるスイスボールをつかったトレーニング。

ペアになって腹筋、背筋を鍛えるトレーニング。
スイスボールの上に座り、相棒に上から肩を下に押される。
バランスをとりながら、そのままの姿勢を5秒間キープ。
5秒間を数えるのはジム。
「1、2、3、2、3、...2、3、4、5!」
なかなか5秒間たたない。結局1回につき、10秒ぐらいを耐えねばならない。
boysの口から思わず、「う...」と声がもれる。
5秒間(10秒間)×左右×5セット。
次はこの体勢。

床に手をついて、スイスボールに足をのせ、バランスをとる。
何もしなくても、このバランスをとるだけで結構難しい。
ジムの掛け声にあわせ、ヒップを上にあげる。
次にパートナーが上から腰を押さえる。
かなりきつい。
バランスをくずして、スイスボールから足がはずれてしまう。

誰よりもうまいのは、コーチのジム・ラブ。
バランスが一番しっかりしており、ヒップのあげさげも一番高く、足腰がぶれない。
さすが。
52歳とは思えない。
ジム自らトレーニングをしているため、ジムが見ていないと思って声だけだしてヒップのあげさげをしていなかったboyが、ジムにみつかって怒られていた。
「こらー!ちゃんとやれー!」
みんな笑う。
5秒間でヒップを上にあげる。次の5秒間でゆっくりさげる。
10回。30秒インターバルでさらに10回。

ジムは言う。
「アカデミーは、学校というよりも大きな一つのファミリーなんだ。先生と生徒達という堅苦しい関係ではなく、ぼくは自分自身をBoysの父であり、時には兄だと思っている。たまにはぼくが息子のときもあるかな、ははは。」

写真は、トロイ・フラベル選手とジム。二人は友達。
ジムは、シャイだが誠実で実力のあるコーチである。
ジムのことを悪くいう人はいない。
(Black Kiwi)
今日のジムのコーチングは、基本的なことであるが、「パスの受け方」について。
まずは、手首のばねをいかして、片手でパスを受けてそのまま片手でパスを投げる練習。

円陣を作り、一方方向に動きながら、片手でパスをし、片手で受ける。
どんどんスピードが速くなっていく。
ボールがもう一つ投入される。
名前を呼び合って、どんどんパスを回す。
ぼんやりしているとついていけない。
片手でキャッチするのはことのほか難しい。
ジムのゲキがとぶ。
「手首のばねをいかすんだ。手のひらを上に向けて、もっと手首を柔らかく。投げるときも腕を使うのでなく、この距離なら手首で投げろ。」
今度は、高いパスやハイパイントをキャッチする練習。
ジムがまずやってみせる。

「パスはできるだけ、高い位置で受けること。なぜだかわかるか?タツ。」
日本人ラガーマンのタツ君、ちょっと照れて
「うーん、わかりません。」
ジム、ニコと笑う。
「高い位置でとろうとすれば、万一受け損なっても低い位置でフォローできるだろう?最初から低い位置で受けようとすれば、失敗すればノックオンだ。」
「そして、このように片足をあげて、ボールを頭の上でキャッチしたら、そのまま、その体勢を2〜3秒キープするんだ。」
ひとりずつ、やってみて、ジムが一人一人のよくないところを直してくれる。
うまくいったら、ジムは本当にうれしそう。
「そう、そう!うまい!それでいいんだ。拍手!」
すばらしくできた選手に対して、みんな拍手する。
できなかった人に罰をあたえるのでなく、うまくできた者を賞賛する。それがジム流。
簡単そうに見えて、これは意外に難しい。
パスの落下地点にできるだけ速くはいり、腕をあげて、片足をあげて、キャッチ。そのままの姿勢をしばらくキープ。

ボールの落下地点にはいるのが遅かったり、ボールをキャッチする位置が悪かったりすると、バランスを崩し、不恰好になってしまう。
試合で高いパスをキャッチしても、「片足をあげてそのままの姿勢をキープ」する場面というのは出てこないはずだが、なぜ、このようなことをするのか?
ジムに聞いてみた。
「バランスの練習だ。確かに試合ではこんな格好をキープすることはないが、この練習をしておくことで、バランスよくパスを受け、次につなげることができるんだよ。また、下半身を安定させるトレーニングにもなる。下半身が安定するとタックルされても倒れないようになってくる。」
「これはあまり他のコーチはやっていない練習だが、効果があるんだ。そう、『ジム・ラブ スペシャル』だよ。わははは。」もっともっと他の『ジム・ラブ スペシャル』についても、知りたくなった。

ジムはすごい人だ。
ジムは言う。
「僕のラグビー人生は、4歳のときから始まったが、今考えると、選手を引退して若い選手をコーチしはじめた頃からが一番楽しいね。」ジムのコーチングの経歴をご紹介します。
ジムは、New Zealand Sports AcademyのCEOである他に、今年ライオンズをやぶった「NZマオリ」チームの現役コーチでもあるんですよ。
2004 -
NZ Maori All Blacks Assistant Coach
2001 - 2003
Tongan National Team Coach
1998 - 2001
NZ Maori All Blacks Coach (Unbeaten world record of 25 wins)
1991, 1996 - 1997
Marlborough NPC Coach
- Runner up 3rd division 1996
- Winner 3rd division 1997
1995 - 1998
South Island Maori Coach
1998
NZ U21 Trial coach
1997
NZ Maori Seven's Coach (Invitation team to Samoa)
1997
Nelson/Marlborough Combined side Coach vs France
1987 - 1995 (9yrs)
Seddon Shield Districts Maori Coach
- Te Waipounamu Shield - 3 times
- South Island Districts Cup
- Ratana Cup
- Maowhera Trophy and Tirikatene Shield
(Black Kiwi)
本日は雨のため、外での練習でなく、ヘッドコーチのダリル・シェルフォードによる屋内での講義。
ダリルは、オールブラックスの伝説ウェイン(バック)・シェルフォードの弟であるが、自らもBOPスティーマーズ、マオリオールブラックスのセンタープレーヤーであった。
現役を引退した今は、NZSAのスキルコーチをするとともに、BOPスティーマーズ・ディベロップメントチームのコーチも兼任。
40歳を過ぎた今でも、無駄な脂肪のまったくついていない美しい筋肉には、ほれぼれするほどである。
先週行われた試合をビデオで観て分析したあと、ダリルがこう言った。
「海外からきているboysで、今週でトレーニングが修了の者が何人かいるから、今日はそのboysのために、いろいろ教えてあげよう。きみたちは自分の国に帰って、ここで学んだことをチームメイトに伝えてあげないといけないからね。」

日本からの10代の留学生や、ナイジェリアからの留学生など、みんな興味津々な様子。
まずは、ボールを持っている選手の前に敵の選手が二人並んで小さなモールを作っていた場合、どうやってうまくボールを奪えばいいのか。
どうしたらペナルティをとられずに、敵の間にはいっていけるか。どこに隙があるのか。どうやったらボールを奪えるのか。
「ケニー、前に出てきて自分がいいと思う方法で、ボールを盗ってごらん。」
(指名されたケニーが前に出てきて、やってみる。)
いはくダリル。
「うん、悪くないね。でもその方向から相手のそこをつかむと、ペナルティになることもある。そういう場合は、選手のわきの下に、この方向から自分の体をいれ、こういうふうにひねりながら、相手の身体を裏がえすんだ。」

ダリルの指示は的確で、無駄がない。口調は実に穏やか。
日本人の高校生タツくんからの質問。
「モールの場合は、どこからボールをとったらいいんですか?」

「よし、じゃ、モールの場合をやってみよう。」
モールの場合の相手の隙の見つけ方。どの角度ではいっていったら、硬いスクラムを崩せるのかなどの実践。
「モールでそのまま、ボールをデリバーするとき、この立っている人間が非常に重要な働きをしなければいけないことを憶えておこう。いいか?ここに立つ人間が、味方のスクラムをコントロールできるんだよ。」

「この立っている人間が、体を下げることでスクラム自体がストロングになるんだ。」
ラグビーの試合においては、ひじがeffective weapon(効果的な武器)となる。モールでも立っている選手が、反則にはならないように、うまくひじをつかって後退することも大事だ。
そうすると、ボールを奪いにこようとしている敵には効果的だ。
大事な2つのキックがある。
Grubber Kick(グラバーキック)とChip Kickだ。グラバーキックは、どのポジションの選手も使ったらいい。相手にプレッシャーを与え、前に進むのに効果的だ。
ボールの上方を蹴ることで回転をかけ、前に転がりやすくするキックだ。
じゃ、チップキックというのはどういうキックだ?
誰かわかるか?
そう、ボールの下のほうを蹴り、ボールを軽く上にあげて飛ばすキックだね。
これは、自分以外の誰かのために蹴ることが多い。
ダリルの講義は続き、たくさんの質問が飛び交う。
雨があがったら、早くグラウンドで実践してみたい。
Boysの顔にはそんな気持ちが現れていた。
(Black Kiwi)
雨上がりの午後、フォワードの選手だけ集まり、走りこみのあと、パスの練習をした。

基本のパス練習。

できるだけ、相手から目線をそらして、パスする練習。

身体の大きくない日本人選手は、腕だけでなく身体のばねを生かしたパスの練習。

一回終了するごとに、コーチのもとに集まり、「今のはどうだった?どこが良かったと思う?悪かったところはないか?」と話し合う。
そして、次の練習にいかす。

コーチは、「ワールド」のスキルコーチをしていたピーター。

ピーターは、にこにこと愛想のいい人だが、練習中は目つきがかわる。
ランチを食べていたときとは、学生たちも顔つきが変わる。
ラグビーを愛する気持ちは同じ。勝利のために努力するストイックさにも、国境はない。
(Black Kiwi)
ラグビーコーチのくりはらさんや、息子さんがジュニアラガーマンのミナミナさんから、14歳以下の少年ラガーマンがスピードを身につける練習方法はどのようにしたらよいかとのご質問をいただきました。
ありがとうございます。
NZSAのスプリントコーチ、コーリー・リキハナよりアドバイスがありました。
Kia ora
My first comment regarding Speed Development for Young athletes would be the emphasis on fun and enjoyment in order to retain their interest in physical
activity.
若きスポーツマンに「スピードをアップさせること」に関して私が第一に考えるのは、身体を鍛えることへの興味を持続させるため、トレーニングが「おもしろいこと、楽しいこと」であると思わせることが必要だということです。
Programmes should be designed so that skills, techniques and physical abilities are aquired by the athlete almost "by default" as a result of enjoyable activity rather than being the overbearing focus of the activity.
トレーニングプログラムは、楽しむというよりは、相手を打ち負かすことに焦点をあてたスキルや技術を身につけることを目的に、組まれています。
ですので、つらすぎるトレーニングプログラムは、子供にとって「練習や試合に出たくない」という気持ちをおこさせかねません。
The information I would need ragarding the 9 year old athletes would be:
* What physical activities is he/she currently undertaking?
* What sports activities/facilities are available to the athlete?
* Who are his / her role models & Sports Heros?
9歳のラガーマンの情報として私が知りたいのは、以下のようなことです。
*彼は今、どのようなトレーニングを受けているのか?
*どのような用具やスポーツ施設を使用することができるか?
*彼にとってのお手本となるようなあこがれのスポーツヒーローは誰か?
As you can probably tell by the questions I ask the focus would be on a wholistic approach to involvement / inclusion in enjoyable activities rather than a specialised programme targeted at the older more developed athlete (perhaps from the age of 14+).
以上の質問に答えていただけますか?
そうすれば、身体能力を改善・発達させる特別プログラム(←これは主に14歳以上の選手が対象です)ではなく、楽しむことに焦点をあてたスピードトレーニングを考えてあげられると思います。
Look forward to hearing from you in the near future.
お返事お待ちしています。

Corey Rikihana.(コーリー・リキハナ)(Black Kiwi)
今日もロトルア快晴。すばらしいお天気です。
小春日和でしょうか。
朝晩は、気温が1度ぐらいで、冷え込みますが、日中は15度以上になります。
これからもっと寒くなるんですよねえ。冬のニュージーランド、空気が美しいです。

さて、ミナミナさんからご質問をいただきました。
ありがとうございました。
9歳の息子のポジションはセンター。
肝心なスピードがイマイチのような気がします。
日頃から、どんなトレーニングを心掛ければいいでしょうか?
素晴らしいオールブラックのトレーニング方法を知りたいです!!それに対するジムの返事は、
Kia ora
As discussed skills are more important
Cheers
(Jim)でした。
なんだか短い回答ですね。すみません。
このあいだ、くりはらさんからもジュニアラグビーのトレーニング方法についてご質問をいただきましたが、その際にジムが申しておりましたのは、「小さい頃は、スピードはそんなに最重要視する必要はない。コーチとしては、その子に天性にそなわった素質が何であるかを見極めることが大事。」ということでした。
今、息子さんが9歳でいらっしゃるなら、走り方のフォームやセンターとしての動き方を身につけようとするよりも、とにかくスキルを身につけることが重要だとジムが言っておりました。
ジムが何度も言う、「スキル」とは、日本語でいうと基礎基本のようなことです。
ボールの持ち方、パスの仕方、キックの仕方などの基礎を、徹底的に練習すること。
ジュニアにとっては、それが一番重要なことであると。

オールブラックスを有する国の練習方法としては、なんとも、あたりまえのアドバイスのようですが、オールブラックスも子供の頃からこのように教えられてきたのかもしれませんね。
次回は、ラグビー選手として、どんなものを食べたらいいか、日常生活で何をこころがけたらよいかについて書きます。
(Black Kiwi)
今日のニュージーランド、ロトルアは秋晴れです。
まるで春のようにポカポカと暖かい一日。
さて、本日は「ラグビーにおけるスピードの重要性」について。
New Zealand Sports Academyのコーチ、Corey Rikihana(コーリー・リキハナ)からのショートコラムです。<Speed in Rugby>
Speed specific training is very important for rugby players, from Club level to Internationals.
The demands on individual positions within the rugby team and game situation are very diverse, and so it is critical to design training techniques that meet the needs of each.
Tight forwards and inside backs must be powerful and predominantly run with short bursts. Loose forwards and outside backs are required to perform longer faster runs whether as support runners or ball carriers.
Overall Sprinting Technique is important no matter which position in order to maximise the players potential on field. Time should be taken to correct fundamental errors, and retrain correct form.
(Corey Rikihana)
<ラグビーにおけるスピードの重要性>
スピード特別トレーニングは、クラブラグビーからインターナショナルのレベルまで、あらゆる選手にとって非常に重要です。
チームの中でのそれぞれのポジションに求められる「スピード」と、試合におけるいろんな場面で要求される「スピード」は全く異なります。
だから、それぞれが要求するものに一つ一つ対応したスピードトレーニングを組むことは、大切なことであり、難しいことでもあるのです。
タイトフォワードとインサイドバックスは、「短い距離をパワフルに、有効にパワーを炸裂させるような走り」が要求されます。
また、アウトサイドバックスは、ボールを持って走るにしろ、サポートとして走るにしろ、「長い距離を速く走り続けること」が求められます。
このように、Sprinting Technique、すなわち”走りのテクニック”を学ぶことは、どのポジションであっても、非常に重要なことなのです。
フィールドにおいて、選手の能力や可能性を最大限に生かすために。
基本的なミスを正し、正しい走りのフォームを体得するには、多少時間がかかるでしょう。
(コーリー・リキハナ)
スプリントコーチ: コーリー
【Corey Rikihanaのプロフィール】
Speed Coach for Surf Life Saving New Zealand Development Squad
Coach, Bay of Plenty Surf Life Saving Team
Coach, Need4Speed Sprint Squad, Tauranga, New Zealand
Owner – Need4Speed Ltd
Rugby Teams Played for – Bay of Plenty, Bay of Plenty Maori, Bay of Plenty Maori Sevens, Wellington Sevens, Waikato University, Tauranga Sports (2 x Premier Championships)
ラグビーQ&A開始します。ニュージーランドのプロのラグビーコーチに、聞いてみたいことはありませんか?
ラグビーに関すること、練習に関すること、試合に関すること、レフリーに関すること、恋の悩みなどなど。
みなさんからの質問に、ジム・ラブを筆頭にしたニュージーランドのプロコーチ、または現役選手が、お答えします。
質問は日本語でかまいません。英訳してお伝えします。
感想などお気軽にコメントを残してください。
お待ちしています。(Black Kiwi)
Black Kiwi(06/27)
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Black Kiwi(06/19)
みつえ(06/17)
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さんぼ(01/28)
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Kickoff-T(01/16)
AKKKKY(01/04)