ニュージーランド ラグビーブログ

ニュージーランドと日本を結ぶ 双方向ラグビーブログ

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NZと日本のジュニアラグビーの違い

(この記事の一番最後に、NZのジュニアラグビーの練習の動画があります。)

11歳の男の子がキックオフNZ を通してラグビー留学でロトルアに滞在している。5月の初めに到着し、すでに3ヵ月半。すっかりなじんで、まるでkiwi(ニュージーランド人)のようだ。

「なぜ、俺はニュージーランド人として生まれてこなかったのだろう。なぜ俺はマオリじゃないんだろう。」と残念がるほど、ニュージーランドと、ニュージーランドラグビーになじんでいる根っからのラグビーボーイである。

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彼と彼のお母さんに、話を聞いた。

「日本とニュージーランドの、ジュニアラグビーの違い」について。

このラグビーボーイは、9歳の時にも5週間のラグビー留学を経験している。そのときチームメイトだったラグビークラブチームの友達は、2年後の今も同じクラブでプレイしている。ラグビーボーイのことをみんなが覚えていて、再会の喜びをわかちあえた。もちろんコーチも2年前と同じ。5歳からのチームを持ち上がりで指導するのだ。ずっと同じコーチが指導するので、愛情もわく。子どもたちとコーチとの信頼関係もできている。

当時U9 のチームだったみんなは、今年も半数ぐらいが同じメンバーである。ロトルア市内のカフクラクラブU11のチームである。

ラグビーボーイのお母さんも、ラグビーとラグビーをする若者たちをこよなく愛する人だ。

彼女曰く、

「2年前、カフクラクラブの9歳チームの中で、息子はニュージーランドの子どもたちに全くひけをとっていなかったと思うんです。チームの中でもトップか2番手ぐらいにラグビーのスキルは高かったと思います。ところが、2年後に11歳となった今、彼はU11のチーム内で決してトップレベルの選手ではないんです。決して下手ではないけど、一番うまくはない。真ん中(標準レベル)ぐらいでしょうか。9歳から11歳までのこの2年間でかなりみんなうまくなっているように思います。」

ラグビーボーイは日本の小学生の中ではトップレベルの選手だと思う。日本で練習をさぼっていたわけでは決してない。日本ではリーダーとしてチームをひっぱっていく存在である。2年前にU9で試合したときもPlayer of the dayに選ばれたことがある、注目の選手であった。

ところが、2年前と同じメンバーが多く残っているカフクラクラブのU11チームにおいて、9歳の時にはチーム内でトップレベルであった彼が、2年後の今、決してトップではない。もちろん、言葉の壁はある。英語はもちろん完璧ではないので、英語でチームメイトに指示をするのは難しいし、コーチの英語での指示も完全には理解できないこともある。

しかし、英語ができないという理由だけで、トップになれないのではないようだ。この2年間でニュージーランドの子どもたちがのレベルがかなり上がっているのだ。

では、9歳から11歳のこの2年間に日本人ラグビーボーイが日本で受けてきたトレーニングと、彼のロトルアのチームメイトがニュージーランドで受けてきたトレーニングはどのように違うのだろうか。9歳では日本人ラグビーボーイでもニュージーランドの同年齢のプレーヤー達に引けを取らなかったのに、11歳になると差が広がっている。そこにもしかすると、ニュージーランドラグビーの強さの秘密があるのかもしれない。

日本のジュニアラグビーとニュージーランドのジュニアラグビーのトレーニングの違いについて、両方をずっと見てきたラグビーボーイのお母さんに話を聞いた。

「日本とニュージーランドのトレーニングの大きな違いの一つは、一言で言うと、『ボールを継続(キープ)すること』を常に頭に置いているか、いないかの違いだと思います。」

ラグビーボーイのお母さんが話してくれたことを簡単にまとめてみた。

ニュージーランドの練習は「継続」、日本の練習は「パートごと」
<NZ>
ラグビーのトレーニングの際、常に意識されているのは、「ボールの継続」である。タックルの練習でも、タックルして倒れて終わるのでなく、ボールをリリースしそれを味方がピックアップする、また別の子がタックルにいき、ボールをリリースして味方がピックアップする練習を繰り返す。それぞれの練習が、最終的にトライをするためにどう動けばいいのかを常に考えた練習になっている。

<日本>
日本での練習も決して悪くない。いい練習もたくさん行っている。フィットネスやパスの練習などは、ニュージーランドと同じようにしているし、子どもたちのスキルも、フィットネス面ではあまり変わらない。しかし、日本の練習はパーツパーツで、こまかく切れているような感じを受ける。タックルなら、タックルして倒れてボールをリリースすることで終了。そのあと味方がフォローにきてボールをピックアップし、また違う場所で次のポイントを作る...ような練習はあまりしない。

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ニュージーランドは自分で考える、日本はコーチの指示を待つ

<NZ>
U11でも常に自分で考えることを要求される。どうしたらボールをキープできるのか。例えば、敵にタックルされそうになったとき、ボールをタックラーと反対側の手に持ち替えて、ハンドオフ(手で相手を強く押し返す)してタックルをかわすことを試みる。タックルされた場合も、少しでもボールを敵から離すことを常に考える。また、どこかにギャップはないかも常に考える。タックルされたら、ボールを地面にリリースしラックを作るのか、それともポップアップ(真上に投げる)して後ろから走ってきた味方にボールをつなぐのか。それを自分で判断することを要求される。そのため、タックルで倒れながらのポップアップパスの練習も行う。

<日本>
ジュニアラグビーでは、コーチの言うとおりに練習を行う。自分で考えて判断することはあまり要求されない。ボールをタックルと反対側に持ち変える練習、ハンドオフの練習、ポップアップパスの練習はほとんど行わない。コーチの言うとおりにしないと、いいプレーをしてもしかられることもある。

ニュージーランドではタックルの受け方の練習はしない

<NZ>
タックルはできるだけかわすように、と教わる。ステップで抜く、ハンドオフ、ギャップを探す、など、いかにタックルを避けて、少しでも前に出るかが大切だと教わる。タックルの受け方は練習しない。タックルは、できるだけかわすものというのが前提。

<日本>
タックルはされることが前提で練習する。どうかわすか、でなくタックルされたときに、どう受けるか、どう倒れるか。受身の練習も行う。倒れ方を知らない子どもも多い。怪我をしないようにすることを優先せざるを得ない。

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ニュージーランドでは誰もがキックを練習、日本はスタンドオフの選手のみ

<NZ>
バックスの選手でも競うようにキックの練習をする。距離を延ばすため、精度をあげるため。ポジションによっては「今日は全体練習でなくキックの練習を自分でしばらくしたい。」とコーチに言って、一人でキックを練習している子もいる。コーチは、それを認めている。

<日本>
スタンドオフ以外のポジションでは、ジュニアラグビーではキックはあまり練習しない。

ほめるニュージーランド、注意を与える日本

<NZ>
ピリ・ウエプのパスがかっこいい、ダニエル・カーターのステップをまねしたい。そんな理由で小学生のジュニアラグビーにおいても、後ろ手にパスしたり、ステップをふんで抜いたり、パスのフェイントをどんどんかけたりする。うまくいくとコーチも本人も観ている大人たちもほめる。もちろん失敗もあるが、コーチはその失敗に対してはしからない。アンラッキーだった、という言い方をする。例えばスタンドオフの選手が自分で判断して、試合中にキックを多用した結果ミスが多くなった場合には、ハーフタイムのときなどに「キックを使いすぎるな。」とアドバイスをすることはあるが、子どもが自分で判断し瞬時に選んだ戦法で、試合中にミスをしてもしかることは決してない。成功すればほめる。

<日本>
小学生の場合、試合はハーフコートで行われる(ニュージーランドでは11歳からフルコートを使用。30分ハーフ。)ため、抜いていくスペースが少ないこともあるのだろうが、ステップで抜いて相手のタックルをかわすようなプレイはあまりしない。後ろ手にするパスなどはまずしない。したら、コーチに注意される。まずは基本をちゃんとできないといけないからという理由だ。基本が身についていないのに、自分勝手に応用をとりいれてはいけないと指導される。

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ニュージーランドでは、11歳からフルコートでの試合になり、試合時間も前半後半各30分となる。

「U11になると、これまでとは違って、楽しむラグビーから、勝つためのラグビーをしないといけない。勝つための練習を要求されるようになる。」とカフクラ クラブのコーチが言う。

日本のラグビーボーイが、今年ニュージーランドに来てすぐの頃、悩まされたのは自分のスタミナのなさだ。フルコートを60分走り回るには、かなりの体力が必要だ。

また、ラグビーボーイは、日本とニュージーランドのチーム内での自分の位置の違いに、自分でまず気がついた。

「ここには俺よりもうまいやつがいる。俺は一番ではない。」

うまくなりたい、強くなりたい。そういう気持ちでは負けなかった。

彼がクラブのコーチやプロのコーチにアドバイスをうけ、選択した自分の強化ポイントは、
・スタミナをつける。
・パスの精度をあげる。
・手首をつかったパスを練習する。
・キックを練習する。

バックスとしてステップなど走るテクニックをつけるよりも、ハーフバックとしての自分をもっと強化したいと考えた。

スタミナをつけるために、ホームステイ先のホストファーザーと一緒に朝から晩まで狩りに行き、山道を歩いた。時には大雨の中。何時間も山道を歩く、走る。スタミナがついた。3ヶ月たった今、試合中に息がきれることはなくなった。

特別に受けたロトルアボーイズハイスクールの1軍のコーチの指導に、「パスの精度をあげるには、腕の筋力と下半身を強化することが必要」とアドバイスをうけ、1歩足を踏み出した形でのスクワットをするようにした。腕の筋力をつけるため1日100回(20回を5本)の腕立て伏せも課された。

また、学校が終わると、ホストブラザーと一緒にフィールドまで自転車で行き、キックの練習をする。

自分はどんなラグビーがしたいのか、自分はどのポジションでどんなプレイがしたいのか。そのためにはどんなトレーニングが必要か。ラグビーボーイは、ニュージーランドでそれを見つけたようだ。

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「ニュージーランドの子どもたちは、9歳から11歳ぐらいのあいだに、それぞれが自分なりの自分のやりたいラグビーをみつけるんでしょうね。だからこそ、のびるんでしょうね。」

ラグビーボーイのお母さんの言葉は、とても優しかった。

あくまでも個人的な経験からの意見、感想なので、全てのジュニアラグビーに当てはまるものではないだろう。しかし、実際にニュージーランドでほぼワンシーズンのトレーニングと試合を経験した人でないとわからない、ニュージーランドと日本のジュニアラグビーの違いが、このお母さんとラグビーボーイの言葉から見えてくるとも思う。






(BlackKiwi)



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ラグビー高校留学と、その動画

7月、8月の夏休み期間は、日本からたくさんの短期留学生がニュージーランドを訪れる。語学留学生、親子留学生、グループツアー、高校留学生、そしてラグビー留学生もいる。

以前にもこのブログでもご紹介したが、ロトルアにある男子高校、ロトルアボーイズハイスクール(RBHS)にも日本から何人かのラグビー高校留学生が在籍している。半数ほどは長期留学で、残りの半数は夏休みだけの留学だ。

ロトルアボーイズハイスクールは、2003年と2004年のサニックスユース大会で優勝経験のある強豪高校で、現オールブラックスの、Liam Messam、Tom Donnelly、Craig Newbury、Michael Delany 選手などを輩出している、ニュージーランドでも有名なラグビー強豪高校だ。

この高校の特徴は、Year11(日本の高校1年生)以上の学年の選択科目の中に、ラグビーアカデミーという授業があり、単位も取得できる。しかも、ラグビーアカデミーの授業は毎日5時間の内2時間、週に10時間行われ、ラグビーの技術を習得したい学生には最適の授業内容となっている。ラグビーアカデミー選択者は、学校から徒歩5分のところにある一般のジムを無料でいつでも何度でも利用できるので、自主トレでウエイトトレーニングもできる。また、ラグビーのスキルの指導を、個人個人に徹底的に行う。もちろん、長期留学生だけではなく短期留学生もこの授業を受講することも可能だ。

現在のラグビーアカデミーのコーチはニュージーランドの大学選抜に選ばれ日本にも遠征経験があり、RBHSの1軍のコーチも行っているゴードン・ハント氏を中心に、コカコーラウエストでプレーをしていたクレイトン・マクミラン氏などがあたっている。

今年の7月8月のラグビーアカデミーの授業のほんの一部だが、動画を以下にアップしている。興味のある方は是非ご覧ください。

3つめの動画は、ハント先生が1軍に所属しているプレーヤーを何人か授業に呼んで、日本人メンバーのチームとタッチラグビーをした様子だ。1軍の強さを体で体験してもらうことが目的だ。また、ゲーム形式をとり入れることで、学生をリフレッシュさせるという意図もある。


キックオフNZ では、現在、2011年2月から及び4月からのロトルアボーイズハイスクールの長期ラグビー高校留学のお問い合わせ、お申し込みを受付中です。すでにお申し込みも頂き、またお問い合わせも多数いただいています。ワールドカップイヤーに、開催地ニュージーランドでラグビー留学をしませんか?(詳細は以下のサイトをご覧ください。3月、7月のチームでの合宿も承っています。)
http://www.kickoffnz.co.nz/study/modules/nzryugaku/rugby.htm

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(Kickoff-T)








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