ニュージーランド ラグビーブログ

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ジュニアラグビーU11のコーチに聞く

ニュージーランドのジュニアラグビーの練習を見学してきた。ロトルアにあるkahukura (カフクラ)ClubのU11のチームである。毎週水曜の夕方1時間半の練習を行っている。

日本でジュニアラグビーのコーチをしているお父さんとその11歳の息子さんと一緒に練習を見学し、ニュージーランド人のコーチに話を聞いた。

ニュージーランドのラグビーの練習方法や雰囲気を実際に見るとともに、コーチに聞きたかったことがある。それは、

「ジュニアラグビーの指導をする際、コーチが自分のチームに掲げる究極の目標とは何なのか。」

である。

つまり、「勉強でも仕事でも、まず楽しむことが大事。」という考え方が根底にあるニュージーランドにおいて、ジュニアチームを率いるコーチが目指すものは、「勝利」なのかそれとも「満足感」なのか。勝つためのチーム作り、勝つための指導、勝つための試合戦略を第一に考えるのか、それとも個人が(またはチームとして)楽しむためのチーム作り、みんなが楽しく満足を得られることを目標に指導をするのか、ということである。

Kahukura クラブでは、ジュニアのコーチは、ほとんどの場合同じ学年を持ち上がりで指導する。就学年齢である5歳から12歳までチームがあるのだが、U5(5歳チーム)で指導をしたコーチは翌年はU6(6歳チーム)のコーチとなる。つまり、クラブを替わらない限り同じコーチがずっと指導することになる。

同じ子の成長をずっと見続けているからチームに対する愛着や子どもへの愛情も大きくなるのだろう。

U11のコーチに聞いてみた。

「ラグビーの練習をする目標は何ですか?勝つことですか?それともひとりひとりの子どもたちが楽しむことですか?」と。

すると、コーチはこう答えた。

「勝つことだ。」

「U11になると、これまでと違って状況はシリアスになる。U10までは、ハーフコートでの試合だけど、U11からフルコートを使って試合する。楽しむだけでなく、どうしたら勝てるか考えて、勝つための試合戦略をたて、勝つための練習をするんだよ。」と。


kahukura_1.jpg



聞くところによると日本では、勝つためにレギュラーメンバーの練習を強化し、試合前はレギュラーでない子は練習の一部や練習試合には参加せずに見ていることを要求されることもあるようだ。当然、レギュラーでない子は試合にも出場できない。ずっと見ているだけになってしまう子も中にはいるようだ。

このカフクラクラブではそれはない。練習は全員が参加。

ちょっとでも手を抜いたり私語をしていたりすると「ゴールポストまで全力で走ってこい!」と厳しく注意される。注意されると、ふてくされたりごまかしたりせずに「ゴールポストまで行ってきたらいいの?」と素直に走り出すのがかわいい。

3人のコーチは、良いプレイをした子やがんばった子に対しては、ほめる。ほめまくる。そして周りの子も一緒に良いプレイに対し拍手する。ほめられた子はうれしそうにニコっとと笑う。

子どもたちは、本当に楽しそうだ。声を良く出している。

フォーメーションの練習もしている。素人の私の印象としてはかなり本格的なラグビートレーニングだ。結構、厳しいトレーニングをしているのだなと思った。小学生なのに。しかし、一緒に練習を見ていた日本のジュニアラグビーコーチは、「のびのびしてますねえ。かなり自由にさせていますねえ。」とという感想を口にされた。

最後にもうひとつ、コーチに質問をした。

「勝つために練習し、勝つための試合の戦略を立てているなら、上手な子は常に試合に出られるけど、うまくない子は試合に出られないのか?もしそうであるなら、そのことについてどう思うか?」

ということが聞きたかった。

しかしコーチの答えはこうだった。

「試合には、うまい子も下手な子も全員出場する!」

え?全員出られるの?

「そうだ!全員だ。全員が出る。」

試合に出るチャンスが必ずある。一生懸命練習すれば、試合で活躍できるチャンスが回ってくるかもしれない。それがモチベーションをあげることになって、さらにうまくなれる。

「勝つことが目標ではあるが、試合には必ずチーム全員を出す。下手な子を試合に出さないということはありえない。」

そう言い切るコーチ。

5月のはじめからシーズンが始まり9月初旬に終わるまで、毎週土曜日に試合が行われる。Bay of Plentyの各地方での総当り戦である。試合の数が日本に比べて多いだろうし、トーナメント方式ではないため負けてもそこでおわりということではない。また、1つの年齢のチームの人数が30名くらいを超えると、もう1チーム作ることもある。そういう環境だからできるのかもしれない。

一生懸命練習すれば試合には必ず出られる。試合に出られるということは、自分を見せるチャンス、活躍のチャンスが与えられるということだ。ニュージーランドでラグビーがこんなにも愛される理由のひとつがここにあるような気がした。

kahukura.jpg



今シーズンの新しいユニフォームを、名前を呼ばれてひとりひとりコーチから手渡される。誇らしくて自然に笑顔になる子どもたち。

(Black Kiwi)



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Comments

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  • 2010/05/24(月) 21:55:46 |
  • |
  • #

コメントありがとうございます。この記事の内容でよろしければ、ブログでご紹介いただいてもかまいません。

ラグビーを初めスポーツは楽しむためにやるものだと思いますが、勝負はやはり勝つことを目標にすべきなのかな、とも思います。勝つこと、負けることから学ぶことも多いですし、勝つために練習することから得るものも大きいと思います。

楽しむ、と勝つ、のバランスをどこで取って、どのように練習に取り入れていくのかが、コーチの皆さんにとっては難しいポイントでもあり、コーチやチームの個性が出る部分でもあると思います。

  • 2010/05/25(火) 13:41:53 |
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  • ??? #-

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